「細川内ダム反対資料館」竣工記念にあたっての挨拶
ダム反対運動資料保存会代表 田村 好
第一次第二次那賀川総合開発が、昭和25年頃(1950年)から着手され、追立ダム、川口ダム、小見野々ダム等、5つのダムが造られました。その説明に訪れた県や建設省、電力会社の方々は、次のように説明しておりました。
一つ目は、ダムが出来ると沢山の魚が泳ぎ、捕り放題。
二つ目は、遊覧船が浮かび多くのお客様でその地域がうるおう。
三つ目は、電気料金がただ同然に安くなる。
四つ目は、ダム建設に協力した者には、協力金が支給される。
五つ目は、シュロ皮やカジ(和紙の原料)、茶の木などは、補償の対象になるので残しておけ。
背広を着てネクタイを締めた紳士的な人が嘘をつくわけがない、そう信じた田舎のおじいさん、おばあさん、そして若い人達も一度は考えたが、その言葉を信じた。
その結果は、夏は赤潮が発生する、秋には濁流により木屑で一杯になる、冬は寒さを非常に強く感じさせる、春はホコリがたつ、肝心の魚は、一切上ってこない、見事に私は騙されたと思いました。第三次那賀川総合開発の、細川内ダム建設が発表された時、断じてダムを造らせてなるものか、そう決意しました。そうして闘い抜いた約30年、藤田さん(元木頭村長)のご奮闘もあって、全国のご支援のおかげで見事にダムが中止となりました。その足跡を永久に残しておきたいと思います。
谷崎さんをはじめ、大工さん達の必死の努力のおかげで、なんとかダム反対の資料館の竣工の運びとなりました。
いよいよこれからが本番だと思います。今後資料館の充実を図るため、約3000におよぶ資料等の分析と展示方法、更にトイレをはじめとする資料館周辺の整備、例えば街灯の設置や駐車場の整備などを検討してみたいと思います。時には石垣を積み、土を運び、草ひきなど行うボランティア活動に参加していただける方々を全国から募集したいと思います。そうして共々に資料館の充実に取り組んで参りたいと思います。また、林業体験ツアーなどを行う一方、「奥木頭おららの小学校」(資料館の隣に併設された小屋の名前)では、囲炉裏を囲み、ランプの明かりで焼酎を飲みながら、「自然環境をいかに守るか」、「日本の将来をどう考えるか」、「また我が人生をいかに生きるか」等を論じながら、一晩を過ごして頂けたらと思っています。
(2006年10月21日の竣工記念の会での田村さんの挨拶の一部を紹介しました。)
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