山の湧き水はいのちの源

地球環境の変化で、これから水資源がますます貴重なものとなります。山に暮らす人たちが、山を守り、循環型の農林業を営むことで、豊かな水資源を下流の街にも届けることができます。

幼い頃から深山を遊び場にしてきたアキ兄(映像:先頭で岩を登っている)は、循環型農業に取り組むNPO法人のメンバーとして、実作業にあたって来られました。四季を通して山を知り、そこに棲息する動植物を観察して来た人だからこそ理解可能な「学び」があります。

山の湧き水も険しい山中を歩かなければ到達できません。また、絶妙なバランスで保たれている周辺環境の総体が、少しでも変化すれば失われてしまうことを熟知していなければなりません。

自然と共にある暮らしが残っていることで、そういった知恵と知識を人類は集積することができるのです。

山に暮らす人たちから学ぶことは数多あります。いのちの源を忘れない、失わないためにも・・・。

在来種のじゃが芋

風が冷たい日が続いていますが、季節は着々と春に向かっています。

梅は満開、畑の葉ものは薹だちし始め、山の木々がほんのり赤く染まって芽吹きの準備をしています。

木頭では自家用の畑が多いのですが、この季節あちこちでじゃがいもを植える準備をしています。
男爵やキタアカリなどは品種によって種を継ぎ難いということですが、この辺りでは在来種の肌の赤いじゃが芋はずっと種を残して栽培されています。
もっちりとしていて炊いても身がくずれにくいので、おでんなどによく利用されます。

流通している野菜は種を繋げないF1種がほとんどになってしまった今、じゃが芋の他にきゅうりや山キビ、長ナスなど、在来種の種を残して保存する知恵はとても貴重となってきました。
ただそれらも食べる人、作る人があってがあってこそ受け継がれるもの。
種の保存同様、高齢者が受け継いでいる山の暮らしそのものを守ることがとても大切ではないかなと思いながら、私も明日じゃが芋を植える準備です。

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アクティブラーニング@きとう

3月は卒業の季節。

この時期、夏休みと共に都会の学生さんたちがインターンシップに来る季節でもあります。近年は、インターン=就活。自分にあった就職先を求めて就業体験をするのが主流ですが、はるばる木頭にまで来てインターン研修される若者も増えています。

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木頭の暮らしに興味を持ち、山の生活を数日でも体験しつつ学ぶ。まさにアクティブラーニングです。

まず、最寄りのコンビニが車で1時間以上かかる当地では、「移動販売」が貴重な存在です。家の前まで来てくれるのでほんとに便利です。長年の経験から地域のニーズに精通した品揃えにインターン学生もビックリです。

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さらに、今の時期はジャガイモを植える季節。灰を入れたバケツと鍬をもって畑で汗します。「いくつになっても研究じゃ」と90近いおばあさんは「学び」を忘れていません。ススキを利用した土作りから、収穫した農作物の保存方法や加工方法まで、自らの手ですべてをやり遂げます。

木頭の特産品である柚子は、この時期、選定や施肥などの作業で忙しいのです。新しい苗木を移植するのも重労働。柚子とり体験という収穫作業だけでは物足りない方はぜひ、この時期にも来て見て下さい。

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グローバルな哲学

アジアの環境問題はわれわれに直結しています。

自由市場経済であっても、限りある資源を次世代に残さなければならないし、これ以上の地球環境破壊に組することは許されません。

大きな会社は社会的責務がありますし、例え小さな会社でも持続可能な模索は必要です。

東南アジアとの関わりがこれからますます深まる中、地元の人達がしあわせに暮らせ、次の世代にも地域資源が持続可能な利用ができるようにグローバルな視点が不可欠です。

インドネシア・ボルネオ島で環境保護の活動をしている地元NGOの方のインタビュー映像をご覧下さい。