添加物大国・日本  

                      ひの ゆうさく

 開発されたものは五千種以上、そして流通しているものは五百種以上・・・。これは、日本における添加物の数です。

世界の中で、最も添加物を食べている国民、それは日本人だと言っても過言ではありません。ちなみに、イギリスで許可されている添加物は十数種、アメリカでさえ五十数種というから、日本の添加物はその五十倍から十倍なのです。それこそ、添加物だけでできている食品すらあるほどで、味、香り、色、食感、保存性・・・と、すべてのジャンルに化学薬品が利用されています。ガセネタではあったけれど、中国のダンボール餃子が話題になりましたが、日本の企業のやっていることはもっと綿密で化学的に、偽物の食品を作っているわけですね。

 最近、保存料不使用といった加工食品を目にするようになりましたが、添加物も進化し、保存料に変わる合成ビタミンやアミノ酸などが開発され、旧来型の保存料を必要としないというだけで、賞味期限だけは相変わらず長持ちするようになっています。そういった化学物質が、人体にどんな影響を与えるかは、実は厚生省ですらすべてを把握していないのが実情です。というのも、日本の食品添加物の基準は、一世代における短期間の毒性のみが対象となり、長年使用した場合の影響や、遺伝的影響はその検証が難しいために、問われていません。規制の対象となるものは、明らかに毒性があり、これまでに事故やトラブルがあったもので、中にはそういったものですら使用禁止にならず、使用量の基準で許可されているものも少なくありません。また、添加物の開発や使用は企業倫理にまかされており、厚生省は問題が起こって対応するという状況であるため、消費者は自己責任において添加物を食べるということになります。

 そこで、最も恐ろしいのは、一つの添加物の毒性よりも、いくつかの添加物が一緒になることで起こる「複合汚染」です。さまざまな食品を同時に食べる中で、数種類の添加物が体内で混ざり、高い毒性物質に変化することもあるだけに、添加物だらけの食品を食べるのは、まさに命がけであり、後の世代まで考えると、空恐ろしい行為なのです。
 雪印牛乳の事件から始まり、ミートホープ、白い恋人と、食品に対する事件がマスコミ込みをにぎわす中で、添加物については一切触れられることはありません。行政だけでなくメディアも一緒に、添加物大国の氾濫に力を貸している日本の社会は、きっと添加物によって滅ぶのではないでしょうか・・・。

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