世界経済の行く末は、農に託す

                 ひの ゆうさく

 サブプライムローン問題で世界経済が打撃を受けた・・・
とニュース。しかし、いまだに良くわかりません。ただ、分かったこ
とは、貧乏人ほど高い金利を払わされるというローンの仕組みに、投
資家たちが群がっていたということでしょうか。住宅ローンを払えな
い人々がドロップアウトして、予定していた計画がだめになり、お金
持ちが大損をしたというこの話・・・。なんだか切なくなりますね。
 経済システムとして無理があるのを承知で、次から次へと投資の新
メニューを作り、架空の経済は肥大化しています。では、実態の経済
とは何なのでしょうか。基本的にそれは食糧生産だと思います。
人間がまともに生きていくために必要な食料は、自然の産物であり、
生命でもあります。食糧問題は環境問題とも直結しており、日々の自
然を見ていると明らかに、将来の食糧生産にかげりを感じずにはおれ
ません。株価の数字に一喜一憂しているうちに、生態系は破壊され、
砂漠化が進行し、異常気性や災害の可能性がますます高まっています。
それこそ、世界的な農作物被害が出てから慌てても遅いと思いません
か。そのとき、自給率の低いこの日本に、だれが安全な食糧を供給し
てくれるのでしょうか。事故米騒ぎは近年に無く腹の立つ話ですが、
食糧難になれば事故米だろうが、工業米だろうが、「即刻健康に被害
は無い」と言い切って、食卓に並べられる可能性だってあります。
 今回の経済損失や事故米騒ぎを見て感じたことは、やはり農の環境
と身近になることの重要性です。自分で農業をするのが一番ですが、
生産者や生産者グループと身近な付き合いをするということでも良い
と思います。お金だけの関係ではなく、生産者と友だちのような信頼
関係が結べれば、安全な食糧を確保できる筋道が開かれます。
 また、農業政策も事故米騒ぎに慌てて輸入の規制にばかりに予算を
かけるのではなく、安全な国産農産物の普及と増産に力をそそぐべき
だと思います。人間のやることですから、いくら規制をしても抜け道
は根絶できません。今必要なのは、海外の食糧のことよりも、国内で
農業をやっている人や、これからやる人のヤル気を起こさせる政策だ
と思います。民間でも、地域の農業活性化のためにがんばっているの
ですから、国や行政には切に願いたいものです。