核燃料サイクルの放棄を  

                      ひの ゆうさく

 あの六ヶ所村の核燃料再処理工場が、ついに5月に本格稼動を開始する予定だそう
です。核燃料再処理工場とは、原発で不要となった使用済みの核燃料を再処理してプ
ルトニウムを作る工場なのですが、技術的にも不安が残る上、原発1年分の放射能を
毎日放出するというとてつもないものです。つまり原発の365倍の放射能を放出す
る恐ろしい工場だけに、東北地域の農漁業者はもちろんのこと、日本全国で運転反対
が起こっています。ではなぜ無理してまでこんな危険な施設を作らなくてはいけない
のでしょうか。
 電力が足りないというのがその根本的な理由なのですが、果たして本当にそうなの
でしょうか。足りないなら足りないなりの生活を選択する道もあると思うし、それよ
りもまず、次のようなエネルギーの無駄使いをやめることに政治や経済の力をそそぐ
べきではないかと思います。
1、高圧電線で遠距離から電気を運ぶことで、約半分近い電力が電磁波として放出さ
 れているという事実。→各地域ごとに小規模発電システムを導入し、エネルギーの
 無駄を無くす。

2、電気の安全ブレーカーの容量アップによって、消費電力のピークが大きく設定され
てしまう。→安全ブレーカーの設定を電力会社まかせにしない。
3、無意味な深夜のテレビ番組や、深夜のネオンサインをやめる。→深夜番組と深夜の
 ネオンサインは電気の無駄でしかない。

4、原子力に使われる予算を地熱発電や海水温発電など、技術的にも簡素で維持管理も
 容易なソフトエネルギーの開発に当てる。→原発の運転や核廃棄物の管理には、高度
 な技術と多額の資金と石油エネルギーが不可欠であるため、環境においても経済にお
 いても負担が大きい。

 ここに上げた提案の中で、個人でできる方法として2に注目してください。各家庭の
電気の安全ブレーカーは、電力会社が容量を多めに設定しています。それを10〜20
アンペア下げることで、電気の基本料金が安くなるだけでなく大きな節電になります。
ちなみにブレーカーの変更は無料で、電力会社に電話すればすぐに下げてもらえます。
ただし、電気を使いすぎるとブレーカーが切れます。でも、このくらいの不便さは受け
入れましょう。放射能汚染で農産物や海産物が汚染され、未来に不安を残すよりずっと
ましだと思います。