奥木頭ぶらり散歩  その3

     「福寿草」             野口 穂

*野口さんは、お仕事を定年後、2年前木頭にUターンされて来ました。現在は炭焼きや地元木頭のPR活動など、仕事のキャリアを活かして、お忙しい毎日を送っておられます!

 徳島県では絶滅危惧種に指定され木頭の冬に咲く数少ない花「福寿草」、この地
方に咲く福寿草には大きく2種類あります。一つはよく知られている中央に花弁が
ありその周りを黄色の花ビラでおおうもので花びらが1重と2重ものがあります。
また最近見つけたものに、茎と葉全体が綺麗な濃い黄緑の福寿草がたまにあります。
もう一つは、花弁が無く花ビラはタンポポのように幾重にもかさなり緑色の中心部
を持っているもの、この地方では「せんよう」とよばれています。この「せんよう」
にも昨年偶然見つけましたが中心部が1つではなく、2つのもの(左右)、3つの
もの(三角形状)、4つのもの(四つ切り)が数は少ないですがあります。福寿草
はその年の気象により開花がずれ、私の家の周りでは今年は、1月19日、昨年度
は12月28日、一昨年は2月2日で1ヶ月以上の差があり、「せんよう」は普通
のものより遅い。
昔はこの地方のあちらこちらで福寿草が咲いていた様ですが今は限られています。
これは広葉樹を伐採し針葉樹に植え変えたためでしょう。しかし、3月ころ標高
800m以上の山に上れば見つけることができるかもしれません、ある山の谷沿い
には約200mにわたって福寿草が点在しているところがあるが、ここも杉林のた
め将来が不安です。なお木頭は自生福寿草の四国の南限と思われます。
(日本の南限は宮崎です)