スリランカ報告 

                      中川 公輝

 木頭出身の中川さん。昨年一旦帰国されていましたが、この1月に再び海外協力隊の活動でスリランカに赴任されました。政治状況の悪化から、市民の生活も危険にさらされているようですが、同じアジアに居ながらなかなかその状況は伝わってきません。今、同じこのときに近隣国でいる起こっていることをレポートしていただきました。
1月7日(月)、スリランカのコロンボに二人で新隊員4人とともに到着しました。
今度は妻が、ボランティア調整員ということで、私が主夫の立場です。
帰国してから半年も経たないうちにまたスリランカということで、送別会を開いてもらってからいくらも経たないうちに現地の人々と再会ということになり、なんだか恥ずかしいような、不思議な気持ちでいます。

でもご存知の通り相変わらずスリランカは治安が不安定で、8日は午前中に市内で1件爆弾爆発事件が発生して大臣が一人亡くなりました。そしてその夜の8時半ごろにも爆発音のような破裂音が聞こえたと思ったら、やはりもう一件爆発事件が発生、調整員が我々の歓迎会を開いてくれていたところだったのですが、ばたばたと携帯電話を手にとって隊員の安否確認に大忙しの状態となりました。
一日に2件も市内で爆弾事件が起きたのは、ここ10数年では初めてのことらしく反体制派の動きが活発化していることをうかがわせます。街角に立つ警備の警察や軍兵士の数も日増しに多くなっていて、検問の回数や道路封鎖も増え、市内の渋滞が多くなり、市民生活に不便な状況が強くなりつつあります。

おまけに、スリランカ政府と反政府勢力(タミールイーラム解放のトラ:LTTE)との間で長期に渡って締結されてきた停戦協定もこの1月16日に破棄されるとの声明が政府から出され本格的に内戦突入かという状況になってきました。
反政府勢力はかなり少数グループで、北部の狭い地域に包囲されているので、コロンボ市内まで攻めて来て市街戦などという物騒なことにはなかなかならないと思いますが、それでも数千人程度の兵力は居るらしく、爆弾テロや小型飛行機での小規模爆撃の実績はあるので、油断できません。

ニまあ物騒な話ばかりでも、コロンボ市民はこんな状況に慣れているのか、生活を続けねばならず仕方ないのか、平然と日々を過ごしているようです=Bヌい話といえば、ここ数年のスリランカの経済成長は毎年5%以上を維持していてアジアの経済発展の恩恵を受けていることが少し救われる話でしょうか=B任早々、こんな状況となり先の2年が暗い中で3度目のコロンボ生活を開始することになった訳ですが、少しでもスリランカの発展が平和に続くよう祈りながら、青年海外協力隊員の活動を見守っていけたらと思っています。