木頭ゆずとりたいツアー

   戸川 満夫


僕らはダッキーというゴムカヌーで川下りを楽しむのグループで毎年木頭の川を下っていて、こんな綺麗な川を守ってくれている木頭の人たちに何かお役に立てることがあればと思い、このイベントに参加させてもらいました。
11/23、川下りクラブダッキーズの若いメンバー6名で朝9時半に里業ランドに到着。理事長のお話をうけた後、収穫と搾りの2班に分かれての作業へ。ゆず搾り作業は全て手作業。機械搾りだと皮ごと潰すので渋味が出るとの事で品質にこだわっているだけあって手間を惜しまない。ゆず玉を消毒して手押しの搾り器で半分に割って果汁を容器に溜める。搾りかすは中の果肉袋と芯を繰りぬいて皮のみにしてジャムや味噌用にまわす。搾った果汁は木綿ごしして1トウ缶の袋にいれて出荷へと結構ハードな忙しい作業。

一方の収穫組は段々畑の山でトゲよけの皮手袋をはいてハサミで摘んでいく。木の内に分け入ると幹の枝にサナギになりかけた蝶の幼虫を発見。木頭ゆずが無農薬栽培である証明だった。山での収穫は楽しいけどキリがないほどあるので長時間は疲れる。搾りは地味だけど生産の実感がある。昼休憩は事務所で集まってお弁当とカップラーメンをいただいて午後からは外と内の作業交代。この日の収穫は25コンテナと、搾りは1トウカンで20缶くらいだった。宿泊先は里業ランド理事の平野さん宅に泊めていただく。夕食はおでん鍋とアメゴのほか田舎料理のご馳走だった。滝根さんや、西谷さんご夫妻も来られて賑やかな晩餐だった。5時過ぎから9時まで飲んで食べて喋って、余興に持っていった皿回しも皆がやって楽しい宴だった。

翌朝7時に起床。朝からまたご馳走の朝食をたっぷり3杯頂く。柚子みそとはやと瓜の和えものは絶品だった。午前中は西谷さんの案内で全員で柚子玉を15コンテナ収穫。最後のお昼も平野さん宅で鮎の塩焼きと寿司を頂いた。本当に美味しい故郷の手料理でお母さんのざっくばらんでさりげなく暖かい接待に感激だった。

午後はダム建設反対資料館に訪問。この資料館を自費で建てられた田村さんの熱い運動の歴史がしみ込んだ館だった。僕らがいつも川下りしている区間がちょうどそのダム建設予定地だった事を知って驚いた。あのすばらしい川と自然の景色を残してくれた田村さんたちの運動に頭が下がった。
pm3時すぎ工場にて宿泊食費の代金を支払うが、きっぷのいい社長が僕らの作業量を普通より高く換算してくれて結局参加費は無料となった。お礼代わりにきとう村ショップでおみやげを購入。噂の木頭の地元通貨のゆーず紙幣も店員さんに見せてもらい次回は使いたなあと興味津々だった。村の人は皆んな温かく受け容れてくれとても感動だった。このツアーの目標だった素晴らしい自然のある木頭村へのお礼とそこの人たちとの交流も充分達成できてとても楽しく意義あるツアーだった。帰りの車では今度は茶摘みの時期に来ようと話がはずんだ。