ダム反対資料館の一年  

        田村 好

去る12月7日長野県知事をしていた、田中康夫(参議院議員、新
党日本)さんら3人が旧木頭村へ来られた。村長をしていた藤田恵さん
も駆けつけて2人で応対させてもらった。 目的は昭和51年9月に起
きた17号台風による災害状況と復旧工事を視察し、今後起きるであろ
う日本の災害に対応するためだと言う。中でも久井谷の山腹崩壊に対す
る砂坊ダム群である。わかっているだけでも150基、約百億円以上の
工事費で非常に驚いていた。「こりゃ日本一だ」一行から漏れた言葉
だった。早速手でさわったり写真を撮ったりである。 
又昨年の10月、「ダム反対資料館」がオープンして早一年が過ぎ
かけた。遠くは北海道や関東、中部、関西、四国、などから多くの人達
が見えられた。まさに受け入れ側は感無量で感謝感激である。田中さん
一行は「大きい建物じゃあないか」と言い、約3、000点に及ぶ資料
の多さに驚く。これは30年に及ぶダム反対闘争の積み重ねである。
「よくぞここまで集め、保管したたものだ」と誰もが感嘆してくれる。
ダム建設に賛成だった公明党が、最終的にダム反対を支援したのは、全
国広といえども「細川内ダムだけだった」という。その一言は私の脳裏
に深く焼き付いた。改めて全国からのご支援に深く感謝しお礼を申し上
げたい。