奥木頭ぶらり散歩   その1
                         
野口 穂
 
杉生山の頂上より望む  撮影:野口穂さん
左がジロギュー(次郎笈) 右が剣山(太郎笈)

 

                        野口 穂

 明治22年南宇村, 折宇村, 北川村, 西宇村の4つの村からなる奥木頭村は、下
木頭村(古屋村, 小計村, 大戸村, 深森村, 川俣村)、中木頭村(成瀬村, 府殿村,
丈ヶ谷村, 御所谷村, 大殿村, 平谷村, 白石村)、上木頭村(海川村, 出原村, 和
無田村, 助村)と共に海部郡内の村として村政が施かれた。その後出原 和無田は奥
木頭の編入され、昭和8年奥木頭村は木頭村に名称変更により奥木頭の名はなくな
り、そして平成の大合併により木頭と言う地名は消えてしまった。 その奥木頭に帰
って2年、一度村を出た者にしかわからない良さを探し、紹介したい、木頭と言え
ば「ゆず」「杉」「アメゴ」「鮎」「高の瀬」あとは「うーん?」では無く、一杯
ある。
 今回は奥木頭にある最高峰で西日本第3の山「標高1930mのジロギュー(次
郎笈)」を紹介します。スーパー林道から望むその姿は美しくかつ山の威厳と風格
を感じられるので一度ゆっくり味わってもらいたい、約20Hに及ぶ渓谷、山岩肌
と調和した高の瀬峡の紅葉色彩は10月中旬のジロギューに始まり11月下旬の平
橋で終わると、ジロギューの最も美しい雪景色の始まりを告げる、雪景色はスーパ
ー林道からではなく「剣山(太郎笈)」と並び立つ南から見るが良し。
修験者が仏具・衣服・食器などを収めて背に負う箱を「笈」と言い木頭では農林産
物等を背負う時に使う道具を「笈子(おいこ)」と言う