自分の身は自分で守る  

                      ひの ゆうさく

 前回、日本の食卓にあふれる添加物について書きましたが、その問題の根幹には、厚生省の怠慢があることを忘れてはいけません。国民の健康を守るべき厚生省ですが、その実態は、薬害エイズ、C型肝炎問題でも明らかになったように、大手企業の利益を優先する癒着体質があり、そのウラには天下り人脈が見て取れます。また、社会保険庁の問題も含め、日本の厚生省の膿は根深く、役人たちの保身のために国民が犠牲になっていると言っても過言ではないでしょう。

 そんな状況において、日本の医療制度は、病人が増えれば増えるだけ病院が儲かるという構造的な問題もあります。そのため、諸外国に比べ、投薬数や入院日数が異状に多く、公的保険制度を悪用した犯罪行為も多々行われているのが実態です。それに対して、ドイツのホームドクター制度というのはとてもユニークです。それは、一家族に対し一定の金額が医者に支払われるだけで、その家族のすべての病気の面倒を見るという方式です。病気にならなければならないほど医者は楽だし、利益になるため、ホームドクターは予防医療に徹し、まかされた家族の健康を守ることに力をそそぎます。

 もちろん、日本にも予防医学に力を注いでいるお医者さんはいます。そんな中で、大腸内視鏡手術で世界的に有名な新谷医師は、多くの病気が腸内環境の悪化によって起こると同時に、健康な身体を維持するのに体内酵素(エンザイム)が重要であると説いています

 酵素と聞くと、洗剤を思い出す人が多いかもしれませんが、私たちの体には5千種以上の酵素があり、細胞の生命活動から新陳代謝にいたるまで、この酵素が関与しています。そんな酵素は、体内に入った毒素や化学物質、添加物などを分解するために消耗され、ストレスによって失われていくそうです。また、失われた酵素は、食べ物から補給するしかないのですが、加工食品や保存食品には酵素が非常に少なく、新鮮な野菜や果物に多く含まれているそうです。つまり、レトルトやインスタント食品を多く食べていると、体内酵素がますます減少し、生命活動の基本が失われ、病気になってしまう・・・ということのようです。

 添加物とインスタント食品が市場にあふれ、薬品会社と病院が儲かる構図に相乗りし、天下り先を転々とする厚生省の官僚たち。まるで、健康な人間の生き血を吸うドラキュラのように思えるのは私だけでしょうか・・・。